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リストラや転職などで収入減になったときの任意売却

収入が減ってしまう理由はさまざまです。会社からの給与カット、残業代カットや突然の解雇、リストラや早期退職などにより転職をして収入が減る場合もあります。また、勤務中にストレスから精神的に落ち込んでしまい、うつ病などで継続して仕事ができなくなってしまうケースもあります。

さまざまな理由で収入が減ってしまい、住宅ローンを継続していくことができない場合にどのような流れでお金の処理をして生活の再スタートが切れるのか。事例を通してイメージをつかんでいただけるように、わかりやすく解説をしていきます。

収入が減ってしまい任意売却をする事例

概要

~名古屋市内の住宅街にある一軒家の任意売却~

ご相談者:名古屋市内在住 会社員 男性 40歳
家族構成:夫、妻、長女(13歳)、長男(10歳)
月の収入:夫30万円 妻10万円(パート)

【任意売却に至る経緯】
子供が生まれるタイミングで自宅を購入しました。その際にA銀行とB社から住宅ローンと購入の諸費用ローンを組みました。当初は、仕事も順調で問題はありませんでした。しかし、会社の業績悪化により残業代カットや厳しいノルマを課せられるようになり、給与が減っていきました。やがて、精神的にまいってしまい、退職を余儀なくされました。

その後、すぐに就職活動をしましたが、すぐには決まりませんでした。次の職場に就職する間に国民健康保険を滞納してしまいました。また固定資産税も払えないようになっていきました。クレジットカードの利用や消費や金融のキャッシングを利用して返済を続けていましたが、長くはもちませんでした。いよいよ来月の住宅ローンの引き落としが難しくなり、専門家に相談することにしました。

【借金の状況】
①A銀行 住宅ローン残高 3000万円
②B社 諸費用ローン残高 200万円
③C市 固定資産税課税滞納額 50万円
④Dクレジットカード会社 利用残高 150万円
⑤Eクレジットカード会社 利用残高 100万円
⑥F消費者金融 キャッシング利用残高 150万円
⑦G消費者金融 キャッシング利用残高 90万円
⑧国民健康保険料滞納額:40万円
⑨国民年金保険料滞納額:30万円 

債務合計 3740万円

【登記簿の抵当権者及び差押えの状況】
順位
1 A銀行 抵当権3500万円(住宅ローン)
2 B社 抵当権300万円(不動産購入時の諸費用のためのローン)
3 C市 税金の差押え(固定資産税の滞納)

任意売却の流れ

任意売却を進め方はいろいろありますが、ここでは基本的流れでご紹介いたします。ぜひご自身が任意売却を行う際のイメージをつかむようにして下さい。

① ご相談(解決方針の決定)
② 不動産の調査・査定
③ 買主を探す
④ 金融機関と市との話し合い
⑤ 売買契約、決済及び物件引渡しの事前打合せ・確認
⑤ 売買契約締結、物件引渡し(任意売却完了)
⑥ その他の借金の任意整理

⑦ すべての問題解決


  • 1
    ご相談(解決方針の決定)

まずはご相談を行います。最初は、どのような解決方法が最適かわかりませんので、あらゆるケースを想定して書類の準備をお願いしています。今回は、念のため債務整理時に必要となる以下の書類を持参していただきご相談を実施しました。
※実際のご相談は、すべて資料がなくてもあるものだけでご相談を行いますのでご安心下さい。

【必要書類】
①住宅ローン返済表等の書面や固定資産税の滞納に関する書面
②給与明細などの収入資料
③通帳
④加入している生命保険証券、損害保険証券
⑤その他株式、投資信託、有価証券等の財産に関する資料
⑥源泉徴収票
⑦クレジットカード会社の利用明細書
⑧消費者金融のATMでの返済明細書、契約書等
⑨自宅の権利証、登記簿謄本及び固定資産税課税明細書

これらの資料に基づき、現状の把握と今後どうしていきたいのかご希望を聞きします。

【問題点】
すべての毎月の返済額の合計が20万円を超えていて、収入では返済が間に合わない。住宅ローンとカード会社の支払いを補うために消費者金融でキャッシングを利用したが、もう借りられない状態になってしまった。単純な収支の状態からすると、破産状態でした。


【相談時にわかった事情】
①自宅を売却して、近所の旦那様の実家に引っ越すことが可能。
※子供の学区の変更もなくてよい。
②借金のうち、住宅ローンの返済が一番大きく、ここの負担が大変。実家に戻って一から出直すことも考えている。
③ご両親の資金援助が少し期待できるかもしれない。

 

【解決の方針決定】

任意売却と任意整理

任意売却、個人再生、破産などの債務整理の選択肢を説明した結果、任意売却をして、住宅ローンは、不動産の売却代金で一括返済をする。もし売却代金だけでは返済額が足りない場合は、ご両親の資金援助をお願いして一括返済をする。住宅ローン以外の借金は任意整理を行い、毎月の返済額を減らす。結果として、全体で収入と支出がバランスがとれてお金が回っていく計画。

 

 

  • 2
    不動産の調査・査定

自宅の資料収集及び現地調査を行います。

資料としては法務局備え付けの登記事項証明書、公図、測量図、建物図面等を取得し、住宅地図等で現地も確認します。

その他自宅の周辺情報や都市計画等の関係法令もチェックして不動産の査定を行います。可能であれば、建物の中を内覧して間取り図を作成します。

不動産の査定額は、3500万円でした。
※競売予想売却価格は、2450万円です。

  • 3
    買主を探す

対象の不動産の調査が終わり、価格相場を把握したら次は買主の方を探します。

任意売却は、通常の不動産売買とは違い、スピード感が必要な点とと特殊な事情が加わりますので、細心の注意を払いながら可能な限りあらゆる手段やルートを使って物件情報を提供し、購入希望者を探します。

  • 4
    金融機関と市との話し合い

住宅ローンの金融機関、住宅ローン関係の諸費用ローンの会社及び固定資産税の滞納による差押権者である市の担当者と任意売却についての説明や協力を求めます。

ここで、それぞれの債権者の配当金の調整を行います。買主探しの状況や売買契約の条件などについても協議し、関係者が情報を共有しながら全員で任意売却を成功させるように努めます。

今回は、売却代金で担保権者や差押権者に全額支払いが可能ですので、スムーズに同意してもらえました。

  • 5
    売買契約、決済及び物件引渡しの事前打合せ・確認

購入者が決まると、売買契約の内容や決済、配当などについて、詳細を話し合います。債権者の一番の関心事は、配当金です。この点を全員が納得できるようにまとめるようにします。当日の正確な返済額やお金の受け取り方法などを確認します。

【任意売却代金の分配予定】

売買代金:3500万円・・・A

①A銀行への返済額:3000万円
②B社への返済額:200万円
③C市への返済額:50万円
④売買の諸費用(司法書士費用及び仲介手数料など)の支払い:120万円
①+②+③+④=3370万円・・・B

相談者の手元に残るお金:A-B=130万円
 

 

  • 6
    売買契約締結、物件引渡し当日(任意売却終了)

売買契約締結、売買代金支払い、物件引渡し及び配当金の支払い等すべてを1日で完了させます。
売買契約締結と売買代金の支払いを別々にすることもあります。

事前に準備をしておいた書類を一つ一つ記入・押印をしていきます。通常の決済よりも時間がかかりますので、時間には余裕を持って当日を迎えます。

  • 7
    その他の借金の任意整理

住宅ローンと固定資産税の支払いは終わりましたので、その他の借金を整理することになりました。任意売却で手元に残った130万円のうち、国民健康保険料40万円と国民年金保険料30万円を優先的に一括で支払いました。残った60万円は子供の教育資金にするようにしました。

また、消費者金融2社の毎月の返済額が8万円ぐらいになっていたので、毎月の返済額の減額交渉を行いました。

消費者金融2社(FとG)の毎月の返済額を次のとおりの返済に変更するように和解をしました。

【和解前】
F消費者金融:月45,000円の返済
G消費者金融:月37,500円の返済

【和解後】
F消費者金融:月25,000円の返済(返済回数60回)
G消費者金融:月15,000円の返済(返済回数60回)

  • 8
    すべての問題解決

毎月の返済は次のとおりになりました。住宅関係のローン2件で10万円以上の支払いがありましたが、それがなくなり、また毎月の返済額が大きかった消費者金融の支払いを減額させたことで、破産や個人再生を利用することなく解決できました。

夫婦の収入で十分支払いが可能な金額となり、無事再スタート切ることができました。

【毎月の返済額】

①Dクレジットカード会社:12,000円
②Eクレジットカード会社:10,000円
③F消費者金融:25,000円
④G消費者金融:15,000円
合計62,000円

重要なポイントの解説
  • 1
    早めの相談

このケースでは、住宅ローンやカードの引き落としのお金が足りない時に、消費者金融のキャッシングで補っていました。実際にどれかの支払いができない状態が何か月も続いてからのご相談では、銀行等の債権者が任意売却や任意整理に同意したかはわかりません。

返済が遅れれば、督促の電話や督促状が自宅に届きます。中には訴訟提起をほのめかす内容のものもあります。

返済が遅れる前に相談をしたおかげで、こちらのペースで借金の解決ができました。また、督促などの精神的なストレスも受けずに済みました。

実際にすぐに依頼をするかどうかは別にしても、どこかの専門家に早めに一度相談に行くことが大切です。自分たちの置かれている状況を把握することで解決へ向けて動き出すことができるはずです。

  • 2
    ご家族の協力

昨今の経済情勢では、夫婦どちらかの収入だけでは十分な生活費が稼げないことも多いと思います。共働きの時代です。奥様がパートで頑張って働いてくれたおかげで、借金の返済がずいぶん楽にないりました。また旦那様も稼がないといけないというプレッシャーを必要以上に感じないで済みました。

誰か一人が頑張りすぎることはよくありません。体を壊してしまいます。家族の問題はみんなで力を合わせて解決していきましょう。

ピンチをチャンスに変えるように家族間の会話が増えて、今まで以上に何でも話しやすい雰囲気ができることもあります。腹を割って話すことで相手への理解が深まります。また、苦しい時期を共有することで絆が深まることもあります。

  • 3
    早期の解決方針の決定

相談後に、債務整理の方針を早期に決定することは大切です。今回、任意売却ができるのかその売却代金がどのくらい見込めるのかをそれを見極めることがポイントでした。それが無理なら個人再生や破産等の法的整理もあり得たのです。

当事務所では不動産売却の専門会社がありますので、その場で簡易査定ができます。対象不動産の相場や状況をすぐに調べられるので、任意売却が最適な解決方法かすぐに判断できました。

借金問題では、債権者はこちらの事情に合わせてくれません。解雇で仕事を失ったり、病気で仕事ができなかったり、いろいろ事情があると思いますが、果たして債権者は同情して支払いを猶予してくれるでしょうか?猶予してくれるケースはほとんどないのではないでしょうか。

スピード感のある専門家にご相談することも大切なポイントです。

  • 4
    借金返済の優先順位を間違えないこと!

今回のようにまとまったお金が手元に残った場合やご両親などの経済的援助がある場合には注意が必要です。

借金には返済すべき優先順位があるのです。

税金、国民健康保険料及び国民年金保険料などをまず返済するようにして下さい。それは、破産などをしても返済義務を免れることができないからです。

その他の住宅ローン、クレジットカードの利用や消費者金融のキャッシングなどの一般的な借金は、破産等で法的整理ができるのです。それを知らずに、債権者にまとまったお金の話をすれば、まずは自分の分の返済をしてほしいため、うまく返済を誘導されてしまうかもしれません。一旦返済をしてしまえば、あとから取り消しはできませんので気をつけなくてはいけません。

まとめ

① 任意売却の専門家へ早い段階から相談をする。自分の解決方法の選択肢を早くから知っておくことがとても大切。

② 家族全員が協力した方が解決の選択肢も広がり、逆に家族の結束が強まる。

③ 借金の返済には優先順位がある。

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