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任意売却を事例で解説

高齢者が多くなって、認知症などで親の介護をする現役世代が増えていると思います。仮に同居していても、自分たちの家庭と介護の両立は難しいものです。ここでは、自宅を売り、親が施設へ入所するという典型的なパターンの事例紹介を致します。

ただし、高齢であることは実は思いもしない問題があるのです。今後も増えていくであろう事例を分かりやすくご紹介します。

高齢の父が所有する自宅の任意売却事例

~父の所有する自宅の任意売却~

ご相談者:名古屋市内在住 男性 40歳
父親:65歳 無職 1年程前から認知症と診断される。

【現在の借金の状況】
①A銀行 住宅ローン残高 1000万円
 

【登記簿の抵当権者】

順位
1 A銀行 抵当権4500万円(住宅ローン)
※登記上の抵当権設定金額は、現在のローン残高ではありません。

自宅査定額:3000万円

 

任意売却する際の注意点

お父様がローンを組んで購入した自宅を売却するケースですが、査定額通りに売却できれば、住宅ローンの残額も完済し、諸費用を差し引いても1000万円以上手元に残りそうです。一見何ら問題ない任意売却ですが、ひとつ落とし穴があります。

高齢のお父様の意思能力・判断能力の有無です。

通常、人間は年齢を重ねると誰でも記憶や判断能力が衰えていきます。また、最近では若年性認知症などもあるようです。売主が売買をするためには、売主自身が売買契約を締結できなくては成立しません。これを配偶者や息子様がすることはできません。代理でやると言っても、判断能力があるうちの委任行為であればその代理行為も成立しますが、判断能力が衰えれば、そもそも代理を頼むことができないのです(委任行為自体ができない)。つまり、判断能力が衰えてからは不動産を売却できない可能性があるのです。

もし、そのような状態で売却をする方法はひとつしかありません。

成年後見制度を利用することです。家庭裁判所に成年後見も申し立てを行い、成年後見人を選任してもらいます。その後、お父様に代わって、成年後見人が売主の代理人として売買契約や物件引渡し、代金の受領等を行います。この後見人の申立てから選任まではある程度の時間がかかります。売却を急ぐ必要がある場合は注意が必要です。

任意売却自体の基本的な流れは、通常の売買と同じです。以下、順を追って事例の解説をしていきます。


任意売却の流れ

  • 1
    ご相談(解決方法の決定)

まずは、所有者のお父様を面談をしました。ここで意思能力の確認ができます。今回の売却の目的は、お父様の施設入所費用と今後の生活費に充てるためでした。よくあるケースだと思います。

司法書士が面談をすることで売買の所有権移転登記の可否が判断できます。売買の局面では、仮に売買契約が何らかの理由でできていても、売買の最後の代金決済や引渡し時に登記をする司法書士がOKしないと、結局売買は成立しません。

お父様は認知症があるものの、体調がよいときは大丈夫だと息子様はおっしゃっていたのですが、実際に会ってみると残念ながら売買契約をすること自体が難しい印象でした。

そこで、成年後見人の選任をする必要があることを説明しました。話し合いの結果、自宅を売らなくでは資金が足りないので、成年後見人を家庭裁判所に申し立てをすることにしました。

  • 2
    成年後見申立て及び成年後見人の選任

1~2カ月の準備期間を経て、やっと成年後見人申立てをしました。さらに申立て後、2か月後、やっと成年後見人が選任されました。しかし、すぐに売買ができるわけではありません。
※成年後見人申立て準備期間や申立て後の成年後見人選任までに要する期間はケースバイケースです。

選任された成年後見人は、自己の裁量でお父様(成年被後見人)の財産を管理します。つまり、売るか売らないかは成年後見人の判断ひとつです。しかし、今回は明らかに資金を捻出する必要性があり、自宅という居住用不動産の売却ですが、成年後見人も売却することを決めました。

  • 3
    家庭裁判所の許可を得る

お父様の自宅を売るには、家庭裁判所の許可が必要なのです。ちなみにセカンドハウスや別荘など居住用以外の不動産の売却には、家庭裁判所の許可はいりません。成年後見人の判断だけで不動産を売ることはできます。

成年後見人が居住用不動産売却許可申立を行い、2週間ほどで売却許可が出ました。売却許可を申し立ててから裁判所の許可が下りるまでの時間もケースバイケースです。

しかし、売ると決めてから成年後見人の申立て、裁判所の許可を得るまでには、半年以上かかりました。

  • 4
    買主を探して売買契約締結及び銀行との話し合い

今回は、売買契約の締結前に家庭裁判所の許可を得ていますが、売買契約後に許可を得ても問題ありません。その場合は、通常、家庭裁判所の許可を得ることを条件に売買契約を締結します。この許可がない売買は無効となるので、注意が必要です。また、売買契約締結等すべての行為をお父様に代わり成年後見人が行います。

成年後見人に関すること以外は、通常の売買と同じ流れです。買主を探して、見つかれば、売買契約の締結をします。そして、抵当権者である銀行に事情を説明し、抵当権解除の書類等を準備してもらいます。

  • 5
    売買代金決済及び物件引渡し

無事、代金の受領をすると、一部を銀行のローン返済に充てて、残りをお父様の施設入所費用と生活費に充てます。

【お金の分配】

売買代金:3000万円

①売買契約書費用:150万円(売買代金から支払い)
①A銀行への返済額:1000万円(売買代金から支払い)
②残り:1850万円
※1000万円を有料老人ホームの入所費用に充てて、残りの850万円を入所後の生活費に充てました。
 

 

  • 6
    お父様がご希望の老人ホームに入所する

成年後見人が、老人ホームへの入所契約等のすべての手続きをして、無事お父様は入所できました。息子様もひと安心されました。

なお、成年後見人は、一度選任されると途中でやめられません。ご本人様が亡くなると業務は終了します。つまり、自宅売買だけの為とか、入所契約だけの為のようにスポットで選任することはできませんので、注意が必要です。

  • 8
    すべての問題解決

自宅の売却資金で余裕のできたおかげで、老人ホームに入所できて、息子様も安心できました。自分たちでは家庭もあり介護は難しいので仕方ありませんでした。でも、その分、無理しないでお父様に会いに行けるようになり、親子の関係性は前よりよくなったようです。現代の介護の現状では誰にでも起こり得ることです。

1人で抱え込んでしまうことはよくありません。誰かに任せられることは任せて、自分のやれることを精一杯することで無理のない、長く続く親子関係ができると思います。

重要なポイントの解説
  • 1
    早めの相談

今回は資金の必要性はあるものの、緊急性はありませんでした。そうなる前に専門家に相談をして対策をとった形です。成年後見人の選任には、時間がかかります。実際に売れて売買代金を手に入れるまでに時間を要するのです。

また、仮に認知症になる前であれば、成年後見制度を利用する必要もありませんでした。早め早めの相談は選択肢を広げてくれます。

認知症対策として、民事信託という方法も有用です。今回のケースでは、お父様(委託者、受益者)が息子様(受託者)に自宅を信託して、自宅の管理や運用(売却を含む)を任せる契約(信託契約)をしておけば、お父様が認知症になった後でも、息子様が自宅を任意売却することができるのです。これは、仮に成年後見人が選任されている状態でも息子様が任意売却することは可能です。

  • 2
    法律の専門家への相談

よくあるケースとしていきなり不動産屋さんに相談に行ってしまう方法です。不動産を仲介する会社は、法律の専門家ではありません。成年後見制度や利用の可否について説明することは難しいと思います。

契約になって契約できなことが発覚する又は、もっとひどいケースだと、契約後、決済の時に司法書士に成年後見制度を利用しないと取引できないことを指摘されてしまうこともあります。

また、成年後見制度を利用して売買を進めて本当によいのか。制度の趣旨や運用をしっかりと確認をする必要があります。成年後見人は売買だけで終わりではありません。その後のご本人様の財産管理等を亡くなるまで行っていきます。今まで家族が管理してきたやり方ができなくなる可能性があるのです。成年後見制度は有用な制度ですが、制度を理解せずにスタートさせてしまうとトラブルの原因になってしまいます。

しっかりと司法書士等の専門家に相談をして、安心して任意売却を進めるようにしましょう。

 

まとめ

① 高齢者の任意売却には、ご本人様の意思能力・判断能力の有無に注意が必要です。

② 認知症などで判断能力が衰えていても、成年後見制度を利用すれば任意売却できる可能性がある。

③ 認知症等の前に民事信託契約をしておけば、成年後見人の選任は不要です。

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